毎日新聞によると、小中高の教諭にアンケートしたところ、85%の先生が、自殺予防教育で自殺を防ぐのは困難と答えたとのことです。「自殺予防教育」と言うのは、よく言う、「命の尊さを教える」という類のものです。
皆さんは、このことをどう思われますでしょうか?
私には、はっきりって、「命の尊さを教える」ことが、自殺予防に繋がるとは到底思えません。自殺に至ってしまう心理状況って、そんな生易しいものではないでしょう? 多くのケースが、”うつ”や”ノイローゼ”の状態であったり、正常な精神状況ではないわけです。そんな状況で、「自殺しようと思いましたが、学校の道徳の授業で習った命の尊さを思い出して、思い留まりました」なんて考える人がいるでしょうか?
もちろん、「命の尊さを教える」ことは大事なことですし、必要なことだと思います。ですが、こと自殺予防ということに関して言うと、まるで無力でしょう。そんなことより「中高生が心を開いて悩みを打ち明けられる相手がいるか?」が大事ではないでしょうか?
子どもたちは中学生になると、精神的に親から独立し始めます。と言いつつも、完全に一人立ちできているわけではありませんので、精神的に中途半端な状態、つまり大人でもないし子どもでもない不安定な状況になります。小学生の時のように親になんでも話せる心理にありませんし、悩みを打ち明けられる友達がいれば良いですが、いなければ本当に孤独な存在になってしまいがちです。
そんな時に、私達大人が相談相手になれるかどうかが最も大事なことではないでしょうか? もちろん先生方にも頑張ってほしいと思いますが、私のように子どもに係わる人間としては、そんなことも自分達の責務に思えます。折角、小学生の時に仲良く遊んでいるわけですから、万が一そんな子達の中に中高生になって悩みを抱えるような子がいたら、是非相談相手になってあげたいものです。
あるいは、そのような責任を先生達だけに押し付けるのではなく、メールや電話で対応してくれるカウンセラーの配置など、社会全体でフォローできる仕組みももっと強化して欲しいと思います。
自殺とか、うつ病のことを理解している人が普通に考えると、そおいう結論になると思うのですが、なんで、「命の尊さの教育」になってしまうんでしょうかねぇ????