以前も書きましたが、「恋するフォーチューンクッキー」という曲がとてもお気に入りなので、音楽構造的にどのようになっているのかを色々調べてみました。GWで時間ができましたので、まとめてみようと思います。所謂「調べ学習レポート」ですね。
この曲には色々な要素がちりばめれれておりますが、私としてはやはり一番「ぐっ」という来るのは、サビの「恋するフォーチューンクッキー、未来はそんな悪くないよ~」の部分です。そもそも20歳ソコソコの女の子たちに、「未来はそんな悪くないよ」と言われただけ50代のおやじとしては、妙な気持になるのですが、やはりココの部分のメロディーはとても良いので音楽的に解析してみることにしました。
話が長くなるので、2回に分けてお話します。作曲に興味のある方は是非。
#この曲の本当のキーはD(二長調)ですが、話をわかりやすくするために、以降、C(ハ長調)に置き換えてお話します。
このサビのコード進行は、カノン進行と呼ばれるポピュラーなコード進行をちょっと変形させたような形になっております。コード進行の詳しい解説は省略しますが、ポピュラーソングでは普通によくあるものです。ですが、あまりアリキタリ感がないのは、このサビのメロディーが「四七抜き音階」でできていることにあります。
「四七抜き音階」とは普通の長調(メジャースケール)から、四度(ファ)と七度(シ)を抜いたもので、ちょっと東洋的な響きがあるのが特徴です。「中国風の音階」と思っている人も多いかと思いますが、世界中の民族音楽の中に見られる音階でもあります。たとえば中世ヨーロッパではグレゴリオ聖歌の中にもありますし、「蛍の光」や「アメイジンググレイス」などの伝承歌も四七抜き音階です。日本では民謡や演歌でよく使われていて、例えば「アンコ椿は恋の花」とか「北国の春」も四七抜き音階です。リズムや音の並びによって、「中国的」だったり「演歌調」に聞こえるところがこの音階の不思議なところです。誰も「アメイジンググレイス」を中国風とか演歌調とか思わないですよね。
「恋するフォーチューンクッキー」では、明るい普通の長調のメロディーで始まって、サビのところで「四七抜き音階」に移行して叙情感を出しています。
特に、サビ冒頭の、「こいする ふぉーちゅん くうきい」の
「く(ラ)、う(ソ)、き(ミ)、い(レ)」のところで、「ファ」を飛ばして「ラソミレ」と下がるところが四七抜きの叙情感を使っているところかと思います。次に続く、「そんなわ るくない よー」の「わ(ミ)、る(ラ)、く(シ)、な(ラ)、い(ソ)」で、「シ」を登場させて四七抜きを崩しています。
この「(く)シ」より後ろは、また別の仕組みが働いています。別の投稿で説明します。
ポピュラーソングの中には、わざと判り易く四七抜きを始めとした民族的な音階を持ちこんで、曲の特徴付けとしている例が多いですが、この曲はサビの部分でさりげなくかつ効果的に使っているところが憎いですよね。スバラシイ!
実は、この「わるくないよ」のメロディが心に「ぐっ」とくる理由はもうひとつあります。「く(シ)」から後ろですね。